1. HOME
  2. ブログ
  3. 長唄について

長唄について

現在チケット販売中の新企画『音楽驛(おんがくえき)』。

本日は、第1回のテーマである「長唄」について、書いていきたいと思います。

そもそも長唄とは、江戸時代に歌舞伎の伴奏音楽として成立した三味線音楽の一つです。
歌舞伎の後ろで、ずら~っと横一列に並んで唄を唄ったり三味線を弾いたりしているのが長唄の演奏家です。

ちなみに、歌舞伎で演奏される三味線音楽には「清元」「常磐津」「義太夫」など、他にも沢山のジャンルがあります。

長唄の歴史

歌舞伎の伴奏音楽として成立した長唄は、長い歴史の中で、例えば「この場面にこんな音楽が欲しい!」とか「今流行っているあの曲使おう!」という具合に、お芝居の題材や時代のニーズに合わせて、能、狂言、民謡、小唄、俗曲などなど…日本のあらゆる他ジャンルの音楽要素も吸収しながら発展していきました。

(今では権利の問題などに引っかかってしまいそうですが…江戸時代は皆さん寛容だったという事にしておきましょう!)

明治時代にはオペラやバレエと同じように長唄も歌舞伎から独立し、純音楽として様々な作品が生まれ、新しい音域の三味線の開発や、色恋、仇討など大人向けの題材から離れた子ども向けの童謡作品も生まれたりと、誰もが親しめる家庭音楽として全国に普及していきました。

礼儀作法を学べることからも、当時は子どもの習い事ランキングでは常に上位となり、ポピュラー音楽として爆発的な人気を集め不動の地位を確立しました。

長唄の特徴

そんな多くの要素を含む長唄は、今では「日本のフルオーケストラ」と呼ばれることもある程で、子どもから大人まで幅広く親しまれています。

長唄は大きく分けて「唄方」と「三味線方」の2パートに分かれます。

「長唄」というのは「クラシック」や「ロック」のように音楽ジャンルの名称ですので、三味線を弾く人を「長唄の三味線方」唄を唄う人を「長唄の唄方」と呼びます。
舞台ではこれに小鼓、大鼓、太鼓、笛の四拍子を基本とする「囃子方」も含め「唄方」「三味線方」「囃子方」の3パートが完全分業制で演奏します。
プロの演奏家は小さい頃から色々なパートを勉強する人がほとんどですが、プロになる際に自ら、または師匠等が適性に合わせて専門パートを選び、それぞれの専門職となっていきます。

次に演奏配置のお話です。

オーケストラも古典配置や通常配置など多少の違いはあれど基本的には配置が決まっているのと同じで、長唄も舞台下手に唄方、上手に三味線方、その前方に下手から太鼓、大鼓、小鼓、笛と、基本的には配置が決まっています。
音響から言えば器楽より歌手が前にいる方がお客様には歌詞の内容も聞こえやすいと思うのですが、何故でしょう…江戸時代からずーっと変わらずこのスタイルなのです。
そして各パートの一番舞台中央に近い唄方、三味線方を「立(タテ)」と呼び「立唄」「立三味線」となり、囃子方では鼓奏者が「立鼓」としてそれぞれパートリーダーの役割を担います。

ちなみに各セカンドパートは「脇(ワキ)」と呼び「脇唄」「脇三味線」「脇鼓」となり、人数が増えるにつれて三枚目、四枚目、五枚目…という呼び方となっていきます。

三味線は一挺二挺(いっちょう、にちょう)と数えますが、長唄の最小編成は三味線二人に唄一人の「二挺一枚」。
そこからは基本的に唄方と三味線方が同人数となり、歌舞伎公演では多い時には「十挺十枚」に囃子を入れて総勢30名近くで演奏します。
また時には演奏会で100名を超える人数で一斉に演奏することもあるのですが、合唱と合奏でこれはもう、迫力満点です!

さて、ちょっと専門的なお話が多くなってしまいましたね。それではいよいよ、役割や編成が分かったところで長唄の演奏を始めてみましょう!
深呼吸して、さぁ指揮者の合図を待って…ん?指揮者…?そうなのです。

長唄には指揮者がいないのです。

しかも横一列に並んでいるため、演奏を聴いた人は「横も見ないでどうやって大勢で音を揃えているの?」と首を傾げます。
実は、長唄の指揮者は、三味線のパートリーダーである「立三味線」が担います。例えるならコンサートマスターをやりながら指揮者もやるような…すごい役割ですよね。

この立三味線の「フッヨ!」とか「ハッ!」などの掛け声や息を合図に、時に立唄や立鼓のパートリーダーも演奏のキッカケとなり、曲によって様々な息のキャッチボールを行いながら演奏を進行させていきます。

こうなるともうジャズです。

今どのパートが演奏の主導権を握っていて、誰がリズムのキッカケを出したのか?なんて考えながら聴くのもハラハラして面白いですよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。
長唄、また日本の伝統的な音楽に興味を持たれた方、ぜひ「音楽驛」をご覧いただければと思います。

【配信概要】

<タイトル>
【不易流行】音楽驛 vol.1 邦楽実演プログラム 長唄

<配信期間>
2021年5月15日(土) 11:00〜5月21日(金) 23:59

<料金>

¥3,000(+システム手数料¥220)

<チケット販売>
◆販売期間 2021年4月28日(水)10:00〜5月21日(金) 21:00

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事